下記内容は予算・要望によって採用できないこともあります.






 大雑把ではありますが、ここでのトータルコストとは「建物の建設費+入居後の光熱費」であるとお考えください。
 同規模の住まいをメーカー等で安価に建てようとしたものが上段、当事務所で設計監理を行ったものを下段として示した例が図1です。
 前項までの説明通り、当事務所では基本性能(基礎・構造・断熱)を質実剛健とした上に設計監理料もかかりますので、建設費だけを見れば500万円くらいの差額がでてしまうでしょう。しかし冷暖房費など入居後の支出が抑えられるよう、建物の断熱性能を高めたり工夫を凝らしていますので、ランニングコスト自体は安価な住宅の半分程度におさめることが可能なのです。
 逆に安価な住宅ではランニングコストのことなどは一切考えられておらず、性能の良い坪単価80万円クラスの高級住宅でなければできなくなっているのが現状です。
 このようにトータルコストとして30年後を考えてみると、両者の関係は逆転してしまいます。住宅ローンは安いけれど建物として手元には残らない月々の高い光熱費を支払うのと、はじめに建物に多少のコストをかけておいて月々の光熱費を低く抑えるのでは、あなたはどちらを選びますか?最終的なものに大差がないとすれば、より良い建物が手に入る後者の方が賢い選択であると思います。


 図2は「設計監理料は高い」という通説に抵抗した補足です。
 当事務所設計と同性能のものをメーカーまたは工務店などの施工者に直接依頼するとなれば、上段2500万円かかるとしましょう。建主さんは見積の細かな内容はわかりませんから、そのまま契約してしまうことがほとんどです。
 しかし、当事務所が施工者の見積内容を細かくチェックすることによって、無駄な項目や余計な手間賃をスリム化することで大きな設計変更をしなくとも約200〜300万円は削減することが可能になるのです。
 その分が「設計監理料」と考えていただければ決して高くはないはずです。
 施工者の見積から削減できる部分は建主さんにとっては不透明な施工者の儲け分。
 その削減分を住宅建設に尽力してくれる設計監理料に充てられるのですから、トータルで考えれば形として残る建物により多くの予算をかけられることにもなるのです。

 ※ランニングコスト、光熱費の記述はあくまでも参考値であり、それを保証するものではありません。