キ ッ チ ン

業務用厨房機器はプロの道具といった感じ

造り付けにすれば大きさや高さ、収納も思い通り

モニュメントのような佇まいのシステムキッチン

手元を隠せばセミオープンな印象に

　日本のキッチンメーカーは世界でも特殊で、他社のシステムキッチンの部材は決して使えないこと、部品や機能が古くなったからといってそこだけを取り替えることはまず不可能であることはあまり知られていません。多少程度がよくなると車が買えてしまうくらいに値段が張ることにも合点がいかないところではあります。
　そうは言ってみても、世の中、システムキッチン全盛です。様々な最新の機能やたっぷりの収納を確保しており、優れたところもたくさんありますので、それを選択することを否定したくはありません。

　機能や外観はシステムキッチンが気に入ったけれど値段が高すぎて手が出ない、自分の調理スタイルにあわせて全てをオーダーで作りたいけれどこれも目が飛び出るほどの値段になってしまう場合などは、システムキッチンではなく、造り付けのオーダーメイドキッチンはいかがでしょう。
　キッチンの大きさやシンクのサイズが自由なことはもちろん、お好きなIHクッキングヒーター、ガスコンロ、オーブンレンジ、食器洗浄機、生ゴミ処理器、浄水器などを自在に組み込めます。
　スライドストッカーやコーナーユニット、包丁差しなどのパーツも専用メーカーから取り寄せてつけられます。


　実例の「竹格子の家」では、シンク・調理台は中古の業務用厨房機器を安く手に入れ業者に磨いてもらったうえで据え付けて、調理家電収納棚・配膳カウンターは家具工事で製作しました。
　「矩形の家」「良く食べ良く眠る家」「スリーコートハウス」「遠望のカゴ」では、特注ステンレスカウンターを作り、幅1mのシンクとIHクッキングヒーターを組み込んでいます。吊り戸棚・カウンター下の引き出しや収納棚は全て家具工事で製作しました。
　「WH 〜WAndering House」では、ステンレスカウンターから収納部の引き出し、細部のパーツひとつに至るまで全てオリジナルでキッチンメーカーに製作してもらいました。
　「風洞の家」「Platform House」では、ツヤ消しホワイト色の人造大理石カウンターを特注サイズでオーダーし、下部収納は従来通り家具工事で製作しています。
　価格は、いずれも同程度の仕様と大きさのシステムキッチンに比べても廉価にできたと思います。



　造り付けキッチンは、本当に細かいところまで設計し、建主さんと決定しなければならないため労力は大変かもしれませんが、完成したときの感慨はひとしおで使い勝手も抜群、とのご感想もあります。
　システムキッチンと造り付けキッチン、オープンとクローズド、どちらが良いかではなく、建主さんが「どんなキッチンが自分に合っているのか」明確なイメージを持つことが重要です。
　使い続けていくのはあくまでご自身なのですから。