STEP 2. 実施設計

  内容:建物細部の検討、実施設計図面の作成、融資機関への申請補助、建築確認申請
  期間:2〜3ヶ月

■ 実施設計の進め方 ■


 実施設計では、基本設計で決定したことをもとに実際に建物が建てられるように専門の建築言語で描かれた「設計図面」を作成します。
 当事務所ではA3版で70〜80枚程度です。何もない状態から一枚一枚描き上げていきますので、最低でも2ヶ月という時間がかかります。
 設計図面の内容は大まかに意匠図・構造図・電気設備図・機械設備図に分かれており、左図はその代表的な一部です。

 そんなに多くの図面は必要ないとお思いの方もいらっしゃるでしょう。しかし、細部にまで描かれた図面が建主さんの手元にあるということは、住宅が建った後でもその証拠が残るということであり、増築・改修の容易さ、欠陥住宅の未然防止、正確な積算根拠といったことに大きくつながるのです。実際、当事務所の建主さんには記念にもなると大変ご好評いただいております。

 通常、住宅では5枚程度の図面で建ててしまう場合が多いのですが、大小を問わず建築を建てる際には必ず「設計図面」は必要で、規格住宅などで設計の手間を省いていることが現在の欠陥住宅問題などの一要因でもあるのです。

 また、細かい部分まで描かれた図面がなければ施工者の見積書は正確には出てきません。見積をする施工者によって図面の読みとり方は様々ですから実際にできてみるまで不明瞭な部分を多く残し、結局最後には増額請求をされることにもなりかねないのです。


 実施設計の段階でも建主さんとの打合せは作成した図面ごと必要に応じて行っていきます。
 基本設計では判別できなかった建築的に細かい納まりの詳細や、内部建具や造作家具のデザイン、把手・水栓・電灯などの一つ一つに至るまで打合せをし、全て図面に反映させていきます。
 施工業者へ見積を依頼できる図面が全て完成し、建主さんの最終承認をいただいて実施設計は完了となります。




関連リンク:for Clients./ 06.実施設計の打ち合わせ〜承認まで



■ 各種申請の補助 ■


 実施設計期間中に各種金融機関への融資申請添付図面の作成・申請補助および建築確認申請書の作成・申請代行を行います。
 融資申請は期間の中盤に、確認申請は期間の終盤に各々の機関へ提出します。(建築確認申請手数料<平均的な木造住宅で¥16,000>は建主さんの実費となります)

※2007年6月の建築基準法改正により、確認申請後に現場で設計を変更して工事する(例:窓を新設する、仕切り壁の位置を変更する)ことはできません(確認申請を再提出する場合, 軽微な変更を除く)ので、申請する実施設計図面は建主さんの承認を得たものでなければなりません。

 また住宅を建てる際には、建物に直接関わりのある「工事費」とは別に税金や加入金などの支出も必要になりますので、忘れないようにしましょう。







 「設計」は

あなたの暮らし方を見つめ直し考えるため




 「監理」は

工事現場で業者のまちがいを抑止するため






2つの大切な過程を省くことは
「豊かな住まい」につながりません