11. 上棟式


住まいがカタチになる姿は感動の一言です



 上棟式とは、古来寺社建築で行われる建築儀式のやり方が正式なものと考えられてきており、建築儀式の中で最も盛大で、寺社の落成披露と一連の重要な行事として特に棟木を上げる上棟式が現在でも簡略化された形で伝承され、故事にのっとって行われています。
 住宅では柱などの軸組が立ち上がり、屋根の下地材が張り終わる日をあらかじめ三者で調整し、執り行われる場合がほとんどです。

 方式については地鎮祭と同様、地方による慣例の違い、建主さんの考え方による違いなど、微妙な差異があるため、ここで細部について触れることは控えます。


 一昔前までは餅まきを行うことが多かったようですが、近隣との関係が稀薄になってきてしまったこと、少子化によって餅まきをしても人が集まりづらくなってきたこと、建主さんへの経済的負担が大きいこと、などから年々減少傾向にあるようです。
 上棟式終了後に現場で職人を交えて宴会を執り行うことも少なくありませんでしたが、酒を振る舞って職方に飲酒運転させたとなれば建主さんの社会的モラルも問われるご時世から、乾物の折詰と二合瓶のお酒をお祝いの品として手渡す簡略方式が主流となりつつあります。
 ご自分達の家が立体的な姿を現わすおめでたい儀式であり、ご近所と顔見知りになる良い機会でもありますのでお祝いの品をご近所に配ることもあります。

 長野県では上棟式を行うことが多いのですが、メーカー住宅などでは行わないことの方が多くなってきているように感じます。
 いずれにしても実際に転居して住むことになるのは建主さんなのですから、心構えひとつと言えるのかもしれません。


 地鎮祭や基礎工事のときには「小さい」と感じていた建物も上棟時にはその全容がほぼ形となり、その姿は感動の一言に尽きます。

 式後、施工者に提出させる工事の「出来形確認申請書」に当事務所で承認したものをお届けしますので、ご用意ができましたら施工者への工事中間代金支払いをお願いします。
 上棟式が終わると仕上工事や設備工事が本格化してきます。