07. 見積依頼〜施工業者の選定まで


工事を請け負う施工業者を選定しましょう


 設計事務所との住まいづくりでは、施工業者はようやくここから登場します。

(一般的と思われている住まいづくりでは「建てる前に考えること」を如何におろそかにしているか、おわかりいただけるでしょう。 その行為を省略しているからこそ、完成後の不満や施工者への不信感を増大させることになってしまうのです。)




 実施設計業務が完了すると、実施設計図面に基づく見積依頼をし、住宅を実際に施工する会社の選定を行います。
 一般的には3社くらいの施工会社に見積依頼を行っています。
 建主さんに古くからお付き合いのある施工者、またはお知り合いの施工者やお気に入りの施工者があれば、そのご希望の施工会社に優先的に見積依頼しますので、前もってお知らせください。
 ただし、○○工法専門の施工者や技術力が低い施工者は、長い目で見た場合には建主さんに不利益を被ることになりかねませんので、お付き合いなどのしがらみだけに縛られることなく、慎重な選定をお願いします。
 また、お付き合いやお知り合いが大工・設備業者などの各専門業種である場合にはまず3社から元請け施工業者を選定したのち、その施工業者に各専門業種と下請け金額折衝してもらい折り合いがつけば仕事を請け負っていただくことにしています。折り合いがつかなくても建て主さんのお付き合い優先で請け負ってもらうことを希望するときには折り合い増額分の金額を支出していただくことになることもあります(建て主さんのご紹介、となると業者は強気に出るため、金額的には下げてくれないことの方が多い傾向があります)。


 各社の見積は、通常10日から2週間で提出してもらいます。その内容について、材料の拾い落としはないか、適正で良心的な価格かどうか、などを当事務所で判断(見積査定といいます)した後、建主さんに比較一覧表として提示いたします。
 アドバイスとして技術力や取り組む意欲なども盛り込んだ査定結果表とともに見積金額について包み隠さずお話ししますので、単純に金額が安いか高いかだけではなく、メンテナンスも考えた総合的なご判断をいただいて1社のみを選定してください。
 見積金額が予定予算内の場合は、項目の食い違いなど若干の修正を経てそのまま施工者との工事請負契約となります。

 しかし、設計事務所による住宅はこの世で一つだけのものですし、建主さんのご要望を叶えた設計図の見積金額が予定予算を下回ることはほとんどありません(設計期間中、予算内におさめるべく設計努力と提案はしています)。
 オーバーした場合は、どのくらい予定予算と金額の差があるかが問題となりますが、1〜2割程度であれば調整は比較的容易で、当事務所の近年実績では大きな予算オーバーはほとんどありません。
 選定された施工者と当事務所間で金額の交渉・内容の見直しを数回行って見積を調整し(ここまでで治まるケースが大多数です)、やむなく仕上材や設備機器などの仕様変更などをせざるを得ないときには、建主さんと打ち合わせを行って最終判断をお願いしていくことになります。


 建主さんと施工者の間で見積金額に折合いがつけば、晴れて工事請負契約締結となります。



関連リンク:Process/ STEP 3. 見積査定