13. 完成と引き渡し


完成した「住まい」に愛着を持てますように


 建物が建主さんに引き渡される前には様々な検査が行われます。施工者自主検査、設計事務所検査、行政の完了検査などです。

 施工者自主検査は仕上がりが汚い部分、傷をつけてしまった部分、などを施工会社の上層部が現場に来て施工を請負う立場からチェックを行います。そのチェックに基づき手直し工事が行われます。

 設計事務所検査は未施工部分、仕上がりが悪い部分、修正が必要と思われる部分、設計図面と異なる部分、などについて(できれば建主さんにも同伴いただいて)チェックを行い、施工者に指示します。

 行政の 完了検査 は建築基準法で定められた検査で、申請は当事務所が全て代行し、申請料は平均規模の木造住宅で19,000円です。(申請料は建主さん負担)
 地方事務所の係官が現場に訪れて確認申請から大きな変更はないか、法律に準じた施工がなされているかを目視または計測確認していきます。
 問題がないようであれば、数日後に完了検査済証が交付されます。


 諸検査と手直し工事が完了し、クリーニング、設備機器の試運転、総点検が行われると、いよいよ完成は目前となります。(早く見たい気持ちはやまやまですが、最後の2週間は現場に来ることを控えた方が 完成の感動は倍増するというご意見もあります。)
 引き渡しの前に、現場で気づいたことなどは遠慮なくお申し付けください。


 ご理解が得られる建主さんには、引渡し前の休日に当事務所主催のオープンハウスにご協力いただいております。
 竣工写真もこの前後で撮影し、ご希望の方には後日データを差し上げます。



 こうした様々な過程を経て、晴れて建主さんに建物が引き渡されます。
 日時については事前にご連絡して都合の良い日を調整しております。
 引渡しでは当事務所立ち合いのもと元請施工業者・電気設備業者・衛生空調設備業者から各1名ずつが出席し、建物についての「取り扱い説明」が行われます。
 わからない点、疑問点、操作方法などは遠慮せず確認しておいた方がよいでしょう。
 ひと通り説明が終了すると、元請施工者から引渡しにかかる書類一式と鍵の引渡しが行われます。
 「建物引受け書」に建主さんの署名・捺印いただければ、建物の所有権が施工者から建主さんに譲渡されます。
 現在は施工者からの正式書類提出がなくとも建物の「10年保証」は法律で義務づけられておりますが、その保証範囲は「構造体の不具合」と「屋根・サッシュからの漏水」のみであることに注意しておいてください。当たり前ではありますが、住み続けていく過程においての仕上材につけた傷、建物内外の経年変化に伴う汚れ、設備機器の劣化、などは保証範囲外となります。
 工事の最終残金支払いは資金借入の関係もありますので、建物登記が完了し融資が実行された後で問題ありません。なお中間払いと同様、施工者に提出させる工事の「出来形確認申請書」に当事務所で承認したものをお届けしたのちにお支払いください。

 また、当事務所では施工者から下請業者リストを建主さんに提出してもらっています。
 どのような業者が工事に関わってくれたか顔の見えることは記念にもなりますし、ちょっとした不具合であれば直接連絡していただいた方が迅速な対応ができると考えているからです。


 施工者からの引渡しが無事完了し、退出すると当事務所からの引渡しを行います。
 こちらで作成した「工事監理業務完了報告書」に署名・捺印をいただくことで工事監理が完了した証しとなります。
 同時に請求書をお渡ししますので、10日以内に工事監理料をお支払いください。
 工事監理記録と工事監理写真CD-ROMは整理がつき次第、後日お渡ししております。
 建物の登記保存に必要な「建築確認済証」と「完了検査済証」は工事監理料支払い後、建主さんにお渡しすることにしております。




 長かった「住まいづくり」もこうして終わります。
 できることは嬉しいけれども、つくっている過程がとても楽しかった、と感じていただけるよう努力しているつもりです。

 あとは暮らしてみて、完成した「我が家」を思う存分堪能してください。
 建主さんからの感想では、住んでみてからも楽しい発見がたくさんあるらしいですから。





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